当事業所が提供する「ITコンサルティング」のサービスにおいて、当事業所は「新たなITツールの導入ありき」で進めることはなく、事業者さまの状況に応じて適切な方向性を導くこととしています。
しかし、やはり(見える化の手法を駆使しながらの)コンサルティングの結果として「新たにITツールを導入する」という結論に至ることはよくあります。そして、この結論に至った際は、
「では、数々のITツールのうち、どの製品を導入するのが正解なのか……?」
という論点に向き合うこととなります。
ここでは、当事業所における「ITツール選定における考え方」を紹介します。
基本的な検討ポイント
当事業所では以下の観点を重視することで、ツール選定失敗の可能性を極小化(成功可能性を最大化)することとしています。
検討ポイント | 当事業所の重視度合い | 解説 |
---|---|---|
機能が豊富か? | 重視しない | ITツール導入の目的に沿った最低限必要な機能がきちんと存在するかどうかを重視すべき |
必要とする機能が存在するか? | すごく重視 | 「そもそも、何のためにITツールを導入するのだったっけ?」を常に考えること。 |
価格が安いか? | 普通 | 当然考慮するが、「安かろう悪かろう」にならないよう注意する。 |
周りの会社も導入しているか? | 普通 | 一定の「品質が担保されているかの判断材料」とする。 |
直感的に使いやすいか? | 重視する | 「見た目(デザイン)」も含めて、総合的に「直感」を重視する |
機能が豊富か?:×(重視しない)
魅力的な機能が沢山搭載されたリッチなITツールは、その導入結果として「実際には全ての機能を活用することはなく無駄となった/機能が沢山あり過ぎて複雑だ/本当に求めていた機能に限って中途半端な性能だ」という状況を引き起こす可能性が高いです。
そのため、「魅力的に聞こえる機能が沢山搭載されているから、なんとなくこれで良さそう」という考えで製品選定をすることだけは避ける必要があります。
必要とする機能が存在するか?:◎(すごく重視する)
前述の「機能が豊富か?」に関係してきますが、魅力的に見える機能が搭載されたリッチなITツールを知ってしまうと、本来の導入目的を忘れてしまうことはよくあることです。
「そもそも、何のためにITツールを導入するのだったっけ?」ということを考えましょう。
価格が安いか?:△(普通)
予算がない場合はどうしても安い製品を選ぶしかないかもしれません。
しかし、ITツールの世界にも「安かろう悪かろう」は存在します。もし、どうしても「安いITツール」しか選ばざるを得ないならば、例えば
「そんな中で高いITツールをあえて選び、きちんと使いこなす形で費用対効果を実現させることは出来ないか?」
「現時点ではITツール導入は諦め、経営改善による資金捻出に注力する」
といった形で考えることも得策となり得ます。
周りの会社も導入しているか?:△(普通)
他社も導入しているという事実は、「一定の品質が担保されている」と判断する材料となり得ます。
また、多くの会社が導入しているということは、その分の収益を得たIT業者が更なる信頼性アップのために品質向上(ITツールの性能アップ)に力を入れる可能性があります。
この考え方は、他社との差別化の必要性が薄い業務(経理業務などのバックオフィス系業務等)において特に有効となります。
直感的に使いやすいか?:〇(重視する)
全体的に、直感に頼る形で「しっくり来るか?」という、感性に頼ることも重要です。
自社メンバーにとって「すっ」と馴染むようなものかどうか……というもので、判定が難しいものですが、例えば「業務マニュアルに頼らずに使いこなすことが出来そうか?」が大きな基準となり得ます。
更なる検討ポイント
既存ITツールとの親和性
既に導入済のITツールが存在する場合、「同一社製のITツール」や「同社とのアライアンス(提携)をしているITツール」を選択肢に入れましょう。
そういったITツールは、「既存ITツールとの自動データ連携」などの便利な機能が搭載されていることがあり、大きなメリットとなり得るためです。
逆に言うと、仮に選定対象となるITツールが他社製品となる場合、その「既存ITツールの方を他社製品側に乗り換える」という選択肢が生まれることとなります。重要なことは、そこまで考えることでそのITツール選定対応はより一層「経営全体」の観点で考えることが出来ているということです。
「IT導入補助金」活用の観点
「国から補助金が出るタイプのITツールを導入する」という発想があります。
つまり、「国から一定の認定を受けているITツール」というものがあり、その「認定ITツールの中から選ぶ」という発想で、資金面での負担を経験するスタイルです。
当事業所も「IT導入補助金」の申請事務支援は可能としております。「補助金獲得だけが目的となり、大して必要でもないITツールを無駄に導入する」という結果だけは避けるよう、冷静に支援させて頂きます。
※実際、当事業所にIT導入補助金のご相談をして頂いた事業者さまについて、冷静かつ客観的なITコンサルティングの結果、多くのケースにおいて「ITツール導入自体そもそも不要」という結論に至ることも多いです。
IT導入補助金の詳細(金額規模や条件)については、以下の公式ページをご参照ください。
【参考】ITツール導入後
新規のITツール導入を決めたが、実際に導入した後、多くの事業者さまがやり忘れることがあります。
それは「既存ITツールの利用(契約)を終了させること」です。これを怠ることで、社内にITツールが氾濫してしまい、業務環境が煩雑化するという事例はよくあります。
「新しいものを買ったら古いものは処分する」というのは、ITの世界でも変わるものではありません。業務環境の煩雑化防止のため、しっかりと意識する必要があります。