当事業所が提供する「ITコンサルティング」のサービスにおいて、当事業所は「新たなITツールの導入ありき」で進めることはなく、事業者さまの状況に応じて適切な方向性を導くこととしています。
そして、(見える化の手法を駆使しながらの)コンサルティングの結果として「ITツールの導入は不要」という結論に至り、事業者さまに「待って」をかけることがあります。これにより、「不必要な投資を防止する」という効果を得られ、結果としてローコスト(適正コスト)でITと向き合うことが可能が出来ます。
ここでは、当事業所における「どういったケースにおいてITツール導入不要と判断するのか」の考え方を紹介します。
「既存ITツール活用」で事足りる場合
眠っている機能を見極める
ITツール導入を検討している事業者さまにおいて、当事業所から精緻なヒアリングを重ねていく中で、「既に導入済のこのITツールに眠っている機能を活用することで対応可能」と判明するケースは多いです。
- 例1:お客さまに使って頂くための「予約システム」を導入したい
⇒既に導入済のGoogle Workspace内の「予約スケジュール」機能で対応可能です - 例2:「WEB会議ツール」を導入したい
⇒既に導入済のGoogle Workspace内の「Google meet」機能で対応可能です - 例3:「営業管理システム」を導入したい
⇒既に導入済の名刺管理システムをよく見れば「営業管理」機能が付属していますよ
「不必要なIT投資の防止」以外のメリット
この「既存ITツール内に眠っている機能を活用する」というアプローチは、単に「不必要なIT投資を防止する」以外のメリットがあります。
それは、「既存ITツール内に蓄積されたデータが効率的に活用され得る」という点です。
一般的に、新たなITツール導入を行った場合、「既存ITツール内に蓄積されたデータ」との「連携」の仕組み構築を検討することが多いです。これは「連携の仕組みを構築する」こと自体に新たなコストと手間が発生することを意味します。また、仮にそれを構築したとしても、「連携の仕組みが壊れる可能性」などと向き合う必要があり、中長期的に見て非効率と言えます。
しかし、既存ITツール内に眠っている機能を活用する形ならば、そういった「連携」の仕組みを新たに構築する必要がないケースがほとんどであり、全体的な観点で見ればこれは非常に効率の良い姿と言えます。
「Excel活用」で事足りる場合
※ここで言う「Excel」とは、Google Workspaceにおける機能の1つ「Googleスプレッドシート」を含みます。
世の中に存在する多くのITツールは、その目的(主要な機能)が「〇〇〇の管理」であるものが多いです。
- 顧客管理システム:自社の顧客情報を一元的に整理する
- 営業管理システム:自社の営業社員が受け持つ各営業案件の状況を一元的に整理する
- 勤怠管理システム:自社の社員の「毎日の勤怠実績」を一元的に整理する
- 名刺管理システム:自社の社員が得た「他社の名刺」を一元的に整理する
しかし、そういった「〇〇〇の管理」というものは、「Excel」で十分対応可能です。
これを言うと、大抵の場合は「Excelでは不可能だと判断しているから、ITツール導入を検討している」という答えが返ってきます。しかし、当事業所のITコンサルティングの結果、それは単に「Excelの使い方に難がある」や「Excelの機能を使いこなしていない」といっただけであることが判明するケースが多いです。
「フォルダ整理」で事足りる場合
上記に続き、多くのITツールの目的(主要な機能)が「〇〇〇の管理」である点に着目すると、その「〇〇〇の管理」とは、単に「PCや共有フォルダの整理」で事足りることが多いです。
上図のように、きちんとフォルダ環境を整えることができれば、情報は分かりやすくキレイに整理することが可能となり、結果として「〇〇〇管理」のためのITツールの導入は不要となり得ます。
目的が「ITツール導入」にならないように
ここで紹介した、当事業所によるITコンサルティング手法の一つ「ITツール導入不要の提案」及びその対処方法は、非常に地味なアプローチです。
地味であるが故に、多くの組織(特に大企業)ではこういった手法が採用されることが少ないです。なぜならば、大きな組織になればなるほど、人事上の評価対象が「大きな動きを実施したこと=新たにITツールを導入したこと」となりやすいためです(もちろん、評価する側もされる側も「必要性を理解してITツール導入としている」と主張することがほとんどですが)。
「ITツール導入ありき」ではなく、「自社にとって本当に必要なIT環境とはどういったものか」を見極め、そのようなIT環境の構築を目指される事業者さまは、ぜひ当事業所へ一度ご相談くださいませ。